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急な腰痛・背部痛
(右腰・左腰の痛みは
腎臓が悪い状態?)

腰痛・背部痛について

腰痛・背部痛(背中の痛み)は、一般的には整形外科的疾患によって起こりやすい症状です。しかし、大動脈解離、気胸、泌尿器がんや消化器のがんなど様々な疾患の可能性があり、命に関わる重大な疾患が潜んでいる可能性があります。泌尿器科疾患でいうと尿管結石は突然生じる背部痛や腰痛で見つかる事が多い疾患です。
腰痛や背部痛は整形外科疾患と考えて安静にして様子見てようと放置してしまうと手遅れになる場合がありますので、注意が必要です。

右腰・左腰(腎臓)に
痛みがある?
腰痛・背部痛の原因

尿管結石症

左右どちらかの腰が痛くなることが多く、あらゆる疾患の中でも痛風と並ぶ激しい痛み(疝痛発作)を起こすと言われています。横になるなど姿勢を変えても痛みは緩和しません。一般的には24時間以内に痛みは治まりますが、数十日痛みが続くこともあります。
痛み以外の症状として、血尿、頻尿、残尿感、吐き気や嘔吐などを起こすことがあります。放置してしまうと腎機能が障害され腎不全を起こすこともありますので、できるだけ早く適切な治療を受けることが重要です。
結石のサイズが小さければ、痛みを緩和させる治療と自然排出を促す保存的療法を行います。自然排出が期待できないサイズの場合には、内視鏡的治療や体外衝撃波結石破砕術(ESWL)が必要になります。

尿管結石症

水腎症

腎臓と膀胱をつなぐ尿管が詰まることで尿の流れが滞り、腎臓の腎盂(じんう)に尿がたまって大きく膨らんでしまう状態です。原因疾患として、尿管結石症、尿管狭窄、尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、大腸がん、婦人科がんなどが疑われます。腎臓が大きく膨らんでしまうと片側の腰に痛みを生じますが、膨らんだ状態が続くと痛みが引いてしまうことがあります。その場合も、腫れはそのまま続いていますので腎機能障害を起こすリスクは高いです。
片側の腰部に痛みが生じ、しばらくして痛みが緩和した場合もできるだけ早く泌尿器科を受診し、腎臓の大きさ、水腎症の有無などを確かめることが重要です。

前立腺がん

前立腺がんは、アメリカで男性のがんとして最も罹患率が高く、日本でも急激に増加傾向にあり、現在1位となっております。食事をはじめとした生活習慣の欧米化が影響していると考えられており、それに加えて血液検査として行われるPSA検査が普及し、発見が容易になったことも背景にあると考えられています。
前立腺がんが骨転移を起こすと腰の痛みを起こすことがあり、腰痛で頻尿など排尿障害が伴うケースや年齢などを考慮した上で、前立腺がんの検査を行う場合があります。前立腺がんの罹患率が上昇する50歳を超えたら、検診や人間ドックのオプションとして行われているPSA検査を受けるようお勧めしています。
前立腺がんは、早期発見と治療が有効とされており、状態や年齢などにより、ホルモン療法、経過観察を基本にしたPSA監視療法、ロボット手術、放射線治療、去勢術など治療の選択肢があります。それぞれ、メリットやデメリット、リスクがありますので、しっかり理解した上でご自分に合った治療を選択することが重要です。

前立腺がん

逆流性食道炎

胃酸を含む胃の内容物が食道に逆流し、食道粘膜に炎症を起こす疾患です。胃酸の過剰分泌や下部食道括約筋の筋力低下などによって生じ、胸焼け、呑酸、げっぷ、咳、みぞおちの痛みなどを起こしますが、背部痛や肩の痛みを生じることもあります。
胃酸分泌抑制薬を服用することでほとんどの場合は症状を解消できますが、十分な改善効果が得られない場合や再発を繰り返すケースでは、消化器内科を受診して胃カメラ検査を受ける必要があります。

膵炎

膵臓に炎症を起こす疾患であり、できるだけ早く適切な治療を受けないと命の危険につながる可能性があります。主な原因はアルコールの過剰摂取であり、飲酒習慣がある方が背部痛を起こした場合には超音波(エコー)検査を受けて、膵炎の有無を早急に確認する必要があります。

肺疾患

様々な肺疾患で背部痛を起こすことがありますが、特に注意が必要なのは気胸です。気胸は肺に穴が空いてしまい、そこから空気が漏れて肺が十分に膨らまなくなり、息苦しさ、胸痛、咳、肩や鎖骨周辺の違和感、背部痛などの症状を起こします。小さい穴は自然に塞がって治ってしまうケースがありますが、穴が大きい場合は手術が必要です。肺疾患の診断にはCT検査が必要になるケースも多く、肺疾患が疑われる場合は連携している高度医療機関をご紹介しています。

整形外科的疾患

腰痛や背部痛の原因として最も多いのは整形外科的な疾患です。ぎっくり腰(腰椎捻挫)や椎間板ヘルニア、変形性腰椎症など幅広い整形外科的疾患が疑われます。動くと痛みが強くなるのが特徴でじっとしていると痛みは落ち着きます。適切な治療を受けないと完治が難しい疾患もあるため、早期の受診が重要になります。

腰痛・背部痛の検査

腰痛や背部痛の原因は多岐に渡りますので、症状や年齢などに合わせた検査を行い、一人ひとりに合った治療を始めることが大切です。

尿検査

泌尿器領域の疾患が疑われる場合に不可欠な検査です。尿潜血陽性は、尿に赤血球や白血球が混じっている状態であり、尿管結石症や腎盂腎炎などの疾患が疑われます。尿検査では、細菌の有無やその種類を確認したり、がん細胞の有無を調べたりすることもできます。

血液検査

炎症の有無を調べることができ、顕著な炎症反応がない場合には整形外科的な疾患が疑われます。泌尿器・消化器・血管などの疾患の可能性の判断にも血液検査が役立ちます。前立腺がんが疑われる場合は、血液を採取してPSA検査を行います。なお、アミラーゼなど酵素の上昇が確認できた場合には、膵炎が疑われます。

超音波(エコー)検査

腎臓や膵臓、前立腺、尿管など、レントゲンでは確認できない臓器の状態をリアルタイムで確認できる検査です。身体に無害で不快感のない超音波による検査であり、安全性が高く、手軽に調べることができます。ただし、確定診断には別の検査が必要になるケースが多くなっています。

レントゲン検査

CT検査に比べると精密さでは劣りますが、被ばくリスクが少なく、短時間に撮影でき、画像をすぐに確認できるというメリットがあります。尿管結石などが疑われる場合にも行われますが、結石の位置やサイズによっては確認できない場合もあります。確定診断や有効な治療法の判断のためにCT検査が必要な場合には、連携している高度医療機関で検査を受けて頂いています。

CT検査

レントゲン検査に比べると被ばくリスクはやや高くなりますが、詳細な情報を得られる検査です。尿管結石症の場合、結石のサイズや存在する場所の正確な情報を得られ、有効な治療につなげることができます。
また、水腎症では尿管や腎盂の状態を正確に把握できます。他にも大動脈の太さや大動脈瘤の有無の確認、前立腺がんの骨転移の有無、膵臓の状態、肺疾患の有無や状態を正確に確認するために行われます。CT検査が必要な場合には、連携している医療機関で検査を受けて頂いています。

腰痛・背部痛は
身体からの危険信号

腰痛や背部痛は、整形外科的疾患以外の様々な疾患によって生じることがある症状です。その中には一刻を争う疾患や、放置してしまうと命に関わる疾患もあります。痛みは身体が発している危険信号であり、原因をしっかり調べて、できるだけ早く適切な治療につなげることが重要です。

腰痛や背部痛でお悩みの場合は、
当院までご相談ください

腰痛や背部痛でお悩みの場合は、当院までご相談ください腰痛や背部痛を起こす泌尿器科疾患もありますので、当院では他診療科の疾患も含めた幅広い疾患を考慮して丁寧に問診を行います。
また、患者様のプライバシーに最大限配慮しながら、安心してご相談いただける体制を整えております。腰痛や背部痛の症状がありましたら、お気軽にご相談ください。