- テストステロンとは
- テストステロンの3つの役割
- テストステロンが減少したらどうなる?
- テストステロンが減少する原因
- テストステロンの減少と男性更年期の関係
- テストステロンが減少しているかの検査方法
- イライラ・やる気が出ない・性欲低下で
お悩みの方は当院へ - 男性更年期障害の治療
テストステロンとは
テストステロンは男性の筋肉や骨格の成長を促す代表的な男性ホルモンで、主に精巣で作られています。性欲や性衝動を起こさせ、ポジティブな思考・集中力や気力を高めるなど、身体と精神の両方に関与する働きを持っています。テストステロンは思春期になると分泌が増加し、第二次性徴の成長を促進します。テストステロンの分泌は20歳頃にはピークを迎え、その後は少しずつ減少していきます。
テストステロンの分泌低下の度合いは個人差が大きく、ストレスや環境、肥満など生活習慣の影響を受けて急激に減少することもあります。40歳を過ぎて急激に大幅な低下が起こるケースもあれば、80歳を超えても中年期程度のテストステロン値を維持しているケースもあります。テストステロンの分泌が大幅に減るなどでホルモンバランスが変わると心身の調子を崩しやすく、様々な症状を起こすこともあります。
テストステロンの3つの役割
筋肉や骨格の成長を促進する
思春期になって第二次成長期を迎えるとテストステロンの分泌が増えて、急に背が伸びる、ヒゲや体毛が濃くなる、筋肉が発達するなどの成長や発達が促されます。
精子の生成や性欲を起こし、
勃起を促進する
男性の性行動に欠かせないホルモンであり、精子を生成する、性欲を起こす、骨盤神経に働きかけて勃起を促進するなどの役割を担っています。
ポジティブ思考、
集中力・気力を高める
大脳に作用して、決断力や集中力、気力を高め、ポジティブで前向きな思考に導くという精神的な影響にも関与します。
テストステロンが
減少したらどうなる?
男性の身体と精神の健康に大きく関与するホルモンですので、分泌が減ると様々な影響が及ぶ可能性があります。また、分泌低下によってホルモンバランスが乱れると自律神経のバランスも崩れ、それによって不調を起こすこともあります。ただし、それほど減少していなくても強い症状が現れるケースや、大きく減っていても特に変わらないケースもあり、症状の内容も様々です。まずはご自分の症状をしっかりと把握しましょう。
性行動にまつわる症状
- 性欲の減衰
- 性的興奮が起こりにくい
- 朝勃ちの回数が減る
身体的症状
- 頻尿、残尿感、尿の勢いが弱くなる
- 筋力が低下する、力が入らなくなる
- 十分な休息や睡眠をとっても疲労が残る
- お腹の脂肪が増え、腹囲のサイズアップが続く
- メタボリックシンドロームを指摘された
※メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満があり、高血圧・高血糖・脂質異常のうち複数がある場合に診断されます。深刻な数値でなくても動脈硬化が進行しやすく、ある日突然、自覚症状がないまま脳卒中や心筋梗塞を起こすリスクがあります。
精神的症状
- 気分が落ち込みやすい
- すぐにイライラする
- 突然、不安に襲われる
- 寝付きが悪い、すぐ目覚めてしまう
- 決断力・集中力・気力・記憶力が下がってきた
自律神経症状
- 動悸、息切れ
- のぼせ、多汗
- 手足の冷え
- 耳鳴り、めまい
- 頭痛、肩こり
- 疲れやすい・全身倦怠感
上記は代表的な症状であり、他にも様々な症状を起こすことがあります。
自律神経症状は、テストステロンの分泌低下によって直接起こる症状ではなく、テストステロン分泌低下によってホルモンバランスが崩れ、その影響によって自律神経の交感神経と副交感神経の調整が上手くいかなくなり、症状を起こしていると考えられています。
なお、糖尿病がある場合、テストステロンの分泌が低下することで動脈硬化の発症リスクが糖尿病のない方に比べて5倍程度高くなることが指摘されています。
テストステロンが減少する原因
テストステロン分泌は10代前半から急激に増加し、20歳頃にピークを迎え、それ以降は少しずつ減少していきます。こうしたことから加齢による分泌減少による影響も通常はゆっくり現れます。ただし、テストステロン分泌は年齢に関わらず環境やストレスなどによって急激に大幅な低下を起こすことがあります。
ストレスを受けると抗ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。コルチゾールは副腎で作られており、過剰なストレスがあると副腎がコルチゾールを大量に作る必要が生じて疲弊します。テストステロンは主に精巣で作られますが、そのもとになる「DHEA」は副腎で作られます。過剰なストレスで副腎が疲れてしまうと十分な「DHEA」を作れなくなり、テストステロンの分泌も減少してしまうとされています。
テストステロンの減少と男性更年期の関係
男性更年期障害は、テストステロンの減少によって心身に様々な症状が現れる疾患で、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれることもあります。女性の更年期障害は広く知られていますが、男性の更年期障害は知名度が低く、中高年男性で様々な症状にお悩みでも更年期障害だとは思ってもみなかったということが珍しくありません。
発症する時期は、30~70代と幅広く、症状の続く期間や内容、程度もそれぞれ異なり、女性の閉経のようなわかりやすい目安がないことから他の疾患と間違われてしまい、有効な治療を受けられずに長くつらい症状でお悩みの方も少なくありません。
テストステロン値は血液検査で調べることができ、男性更年期障害の診断に用いられているチェックリストや問診結果を総合的に判断することで、男性更年期障害の診断と適切な治療が可能になります。疑わしい症状がありましたらお気軽にご相談ください。
テストステロンが減少しているかの検査方法
男性更年期障害が疑われる場合、まずは問診や身体測定を行い、世界的に男性更年期障害の診断に用いられているチェックリストにご記入頂きます。
血液検査や毛髪採取によるテストステロン値検査を行い、結果を総合的に判断して診断します。血液検査では、フリー(遊離型)テストステロンの数値を調べますが、この値は起床時にピークとなり、それ以降は下がっていきますので、より正確な結果を得るためには午前中の検査をお勧めしています。
イライラ・やる気が出ない・性欲低下でお悩みの方は当院へ
男性更年期障害の症状の多くは、疲労やストレスによる単なる不調と誤解されやすい傾向があります。また、逆にイライラや無気力などの症状が強く現れて、うつ病やパニック障害などが疑われてしまうケースもあります。さらに性機能に関与する症状を内科などで泌尿器疾患と誤診され、当院を受診してはじめて男性更年期障害が発見されることもあります。
当院では泌尿器科学会専門医による診療を行っており、男性更年期障害に関しても高精度な検査や診断、治療が可能です。上記のような症状でお悩みがありましたら、気軽にご相談ください。
男性更年期障害の治療
当院では、テストステロンを直接補うART(アンドロゲン補充療法)、性機能改善薬や抗不安薬の処方、生活習慣改善指導、カウンセリング、漢方処方などの治療を行っており、患者様の状態やお悩み、ライフスタイルなどにきめ細かく合わせた治療が可能です。特にテストステロンを直接補う治療は、増減を繰り返すテストステロン分泌の状況やタイミングを見極めて治療を進めることが重要になってきます。
ART(アンドロゲン補充療法)
加齢や疾患などによって生じる男性のテストステロン分泌低下がある場合に、テストステロンを直接補う治療法です。男性更年期障害でも、この治療で症状改善の効果を期待できるケースがあります。注射、塗布するジェル、貼付するパッチなど、投与方法の選択が可能です。テストステロン分泌低下による男性更年期障害は、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を大きく下げてしまう疾患です。適切な治療を受けて、症状の緩和・解消につなげましょう。
ART(アンドロゲン補充療法)の費用
初診料 | X,XXX-XX,XXX円(税抜) |
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再診料 | X,XXX円(税抜) |
注射料 | X,XXX円(税抜) |
ART(アンドロゲン補充療法:テストステロンを直接補う治療法)の副作用
様々な副作用が報告されていますので、専門医による診断や処方、慎重な経過観察が不可欠です。
報告された副作用
- 心血管系疾患
- 脂質代謝異常(HDLコレステロール低下)
- 多血症
- 肝毒性
- 睡眠時無呼吸症候群
- ざ瘡
- 体毛増加
- 潮紅
- 体液貯留
- 女性化乳房
- 精巣萎縮
- 男性不妊症
- 気分や行動の変化