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睾丸が痛い
(精巣・陰嚢の痛み)

精巣(睾丸・金玉)の痛みとは

精巣(睾丸・金玉)の痛みとは精巣は男性だけにある生殖器であり、精子を作り出すという重要な役割を担っています。男性の急所と呼ばれるように敏感な感覚を持っていることから、ちょっとした力が加わるなどで強い痛みを起こすことがあります。ただし、精巣や陰嚢の痛みは、泌尿器疾患によって起こっている可能性もあります。疾患による精巣の痛みには、腫れやしこりなどを伴うことがあります。放置してしまうと精巣機能が損なわれて男性不妊の原因になる疾患もあります。精巣、睾丸、陰嚢の痛みといった症状があっても受診しにくいと感じられる場合があると思いますが、当院では患者様のプライバシーに配慮した診療を行っていますので、安心してご相談頂けます。

片側だけ痛い… 
このような症状は
受診をおすすめします

  • 片方の精巣(睾丸・金玉)が痛い
  • 睾丸が鈍く痛い
  • 精巣が腫れ、痛む
  • 精巣が激しく痛む
  • 痛みにしこりやむくみが伴う
  • 睾丸が重く感じ、痛みを伴う
  • 動くと陰嚢や睾丸に痛みが生じる
  • 陰嚢に触れると痛みが起こる
  • 歩くと睾丸に痛みが起こる
  • ズキズキ脈打つような痛みがある
  • 精巣周辺が締め付けられるように痛む
  • 安静にしていても睾丸が痺れるように痛い
  • 痛みはないが大きさが変化した・左右で大きさが違う
  • 痛みに腫れや発熱が伴う

金玉の痛み、
精巣の痛みを伴う疾患

精巣腫瘍、精巣がん

精巣にがんや腫瘍が生じることがありますが、精巣がんや精巣腫瘍は痛みを起こすことがほとんどありません。主な症状は精巣の大きさの変化です。超音波(エコー)検査で精巣のサイズ、形状、組織の状態を確認し、精巣がんが疑われる場合には、連携している高度医療機関をご紹介しています。精巣がんは発生頻度の低い稀少ながんですが、左右の精巣の大きさが違ってきたことにご自分で気付き、受診して発見されることもあります。

精巣がん

精巣捻転

精巣には動脈や静脈、神経がつながっていますが、こうした組織がねじれてしまった状態です。血流が途絶えてしまうと精巣の機能停止や壊死を起こす可能性もあり危険な状態です。主な症状には、激しい痛み、しこり、むくみなどがあります。精巣捻転が疑われる場合、触診で精巣のサイズや腫れの有無を確認し、超音波(エコー)検査で血流の状態を確かめます。精巣捻転の治療では、ねじれを戻すために陰嚢の皮膚を切開する手術が必要になります。なお、捻転が起こってから6時間以内にねじれを戻さないと精巣機能が停止、場合によっては摘出しないといけなくなってしまいます。精巣の激痛を感じたらすぐに泌尿器科のある大きな病院を受診してください。

精巣上体炎

精巣の上には精巣上体という組織が被さっており、そこの部分に感染が起こって炎症が生じると、片側の精巣に急な痛みが生じます。片方の精巣が大きく腫大することも多く、発熱を伴うこともあります。性感染症による炎症が尿路から広がってきて生じるケースやカテーテル留置、手術などが関与して生じることがあり、原因がわからないケースもあります。抗生物質と痛み止めによる治療で症状自体は約1週間で緩和に向かいます。
痛みが強い時期にはアイスパックによる冷却が行われることもあります。腫れが引くまでには数ヶ月かかることもあり、揺れなどによる衝撃が痛みを誘発する場合はサポーターによる固定も有効です。

精索静脈瘤

精巣から体に向かう静脈が蛇行し静脈瘤ができている状態です。主な症状は、陰嚢や鼠径部の鈍痛、違和感、締め付けられるような感覚があります。体の構造上左側の痛みを感じることが多いのが特徴です。静脈の圧迫や静脈弁の機能低下などによって生じ、陰嚢にコブ状の静脈瘤ができます。精巣温度が上昇して精子を作る機能の低下につながる可能性があり、男性不妊のリスク要因となっています。手術によって改善が可能ですので、痛みなどを伴う方や、赤ちゃんをご希望の方で精索静脈瘤が疑われる場合にはご相談ください。

精巣損傷・精巣外傷

外部からの衝撃によって精巣が損傷を起こしている状態です。出血や激しい痛みが生じ、打撲の場合は内出血で陰嚢が赤黒く腫れることもあります。出血が続く場合や精巣表面を覆う膜(白膜)が断裂している場合は手術が必要ですが、そうでない場合には経過を観察します。スポーツでボールが股間に強く当たった際に生じることもあります。速やかに受診して精巣の状態を確認し、適切な治療につなげることが重要です。

陰嚢水腫

陰嚢内に腹水や滲出液がたまってしまう疾患です。放置していると水腫がどんどん大きくなりますが、痛みを起こすことはほとんどありません。針を刺して液体を除去する陰嚢穿刺を行うこともありますが、再発を繰り返す場合には手術が必要です。

ムンプスウイルスなどによる
精巣炎

ムンプスウイルスに感染し、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)を発症すると、卵巣や精巣の炎症を合併することがあります。成人男性がおたふくかぜにかかると20~30%の割合で精巣炎の合併を起こすとされており、珍しくない病気です。
ムンプスウイルスによる精巣炎が生じると、突然精巣の痛みや腫れ、発熱を起こし、放置してしまうと精巣上体炎を合併することもあります。男性不妊の可能性は、片側だけの場合は10%、両側の場合には30%になると指摘されています。根治へ導く治療法はなく、鎮痛剤の処方、安静、局所の冷却などの対症療法による治療を行います。

精巣付属器捻転

精巣には付属器と呼ばれる小さな組織がついています。(精巣垂、精巣上体垂)これらの付属器がねじれる事で急激な陰嚢の痛みが生じる事があります。
陰嚢から透けてねじれた組織が観察出来ることがありますが、超音波検査や身体所見などで多方面から判断します。

IgA血管炎

主に20歳以下、特に4-5歳の子どもに発症する疾患で全身の紫斑や関節痛、腹痛が特徴的な症状です。IgA血管炎の患者の2-38%に陰嚢痛症状が出現することがあり、陰嚢の腫れや皮膚の浮腫などを伴います。ごく稀に精巣の血管にも炎症が起こる事がありIgA血管炎の治療をきちんと行う必要があります。多くの場合ステロイドによる治療が必要で年齢により小児科をご案内いたします。